新たな試み
2021年2月28日、青森県五所川原市のライブホールFOREST BLUEで行われるライブ「2021 横田明紀男 ソロギター & デュオ with 長尾珠代」は前回の大好評を受けての再演でありますが、このライブではもう一つ新しい試みを行うことが決定いたしました。
それは、ライブの介護老人保健施設への配信とライブ中の入居者とのコミュニケーションです!
ただ配信するだけでなく、ライブ中のMCで入居者の方とアーティストさんがコミュニケーションを取るという全く新しい試みです。
この介護老人保健施設への配信は、前回のライブの打ち合わせ時に夫婦デュオ「横田明紀男 & 長尾珠代」が今までの恩返しのため、ボランティア演奏にも精力的に取り組んでいるということを私達FOREST BLUEがお聞きしたことから始まりました。私達FOREST BLUEも音楽を聴きたくても聴けない方々に、なんとかライブの感動を音楽の素晴らしさを伝えたいという思いから立ち上げたライブホールであり、オンラインライブ配信などに取り組んできました。夫婦デュオ「横田明紀男 & 長尾珠代」の活動の思いとFOREST BLUEの思いが見事に重なり今回の介護老人保健施設への配信とコミュニケーションという新しい試みを行うこととなりました。
そこで、FOREST BLUEでは一流のアーティストとして活動していらっしゃる夫婦デュオ「横田明紀男 & 長尾珠代」に取材を行い、プロになるまでの経緯や音楽家としての活動の思いなど様々なことをお聞きしましたので、ここにアーティスト特集として皆様にお伝えできればと思います。
ギタリスト横田明紀男-プロギタリストになるまで
Professional guitarist “Akio Yokota”
Q. プロになりたいと思ったきっかけを教えていただけますか?
僕は小学校の頃は音楽の授業がものすごく嫌いで、縦笛くらいしかできませんでした。中学入ってギターを買っていろいろやってみたらなんて楽しいんだ!と思い音楽に目覚めました。そこからはブラスバンドに入ってユーフォニウムやチューバなどをやり、エレキギターも始めました。
中学校2年の頃にはプロになりたいなと思っていました。今では早引きのギタリストはたくさんいらっしゃいますが、当時はカルロス・サンタナというギタリストが世界で一番のテクニックを持っていると言われていた時代でした。音楽もまだまだ黎明期で、のちに素晴らしいギタリストがたくさん出てきますが、僕がプロのギタリストとして将来やっていきたいと志したのはそんな時代でした。
Q、中学校で楽器を始めて高校卒業と同時にプロになられたとお聞きしました。プロになるまでのことを詳しくお聞きしてもよろしいですか?
ギターは一般の方からするとあまりピンとこないかもしれませんが、プロになる人はギターを初めて持ってから5年でプロになるんですよ。周りを見ていてもギターでお仕事をしている人は皆さん5年でプロになっていますね。
なので中学校で楽器を始めて高校卒業と同時にプロになるまでの約5年間は青春時代でしたが、友達と遊ぶ時間を全てギターに捧げました。ですから楽しい青春時代の思い出というものは私にはありません。もしかしたら人から見ると暗い青春時代だったのかもしれませんが、それだけギターにのめり込んでいた時期でもありました。ですがこれは自分だけでなく、周りのプロのギタリストに聞いてみても皆さん同じような青春時代を過ごしてますね。
Q、プロになるまでの期間は寝る時間とご飯を食べる時間以外はずっとギターに打ち込んでいたのですか?
そうですね。
その頃、ある方に「一生のうちに半年でいいから一つのことに打ち込めるなら、それは一生ものになるよ」と言われました。今思うとまさにその通りだなと思います。
それこそ1日に17〜18時間ずっとギターを弾いていました。一生のうち半年でいいんですよ。まずは半年間ギターに打ち込めるだけの情熱があればプロになれるのではないかなと思います。
プロフェッショナルとして生きていくために
「一生のうち半年でいいんですよ。まずは半年間打ち込めるだけの情熱があればプロになれるのではないかなと思います。」という言葉が非常に印象的でした。プロフェッショナルとして生きていくために、言葉には表し難い努力とあふれる情熱を持ってギターに打ち込まれたからこそ、現在の見る人全てを圧倒するパフォーマンスにつながっているんだなと思います。
この精神は音楽以外の私達の生活にも生かせるのではないかなと感じさせていただきました。
ギタリスト横田明紀男プロフィール
Guitarist 横田 明紀男
13歳よりギターを始め、15歳より潮先郁男氏に師事。高校卒業と同時にプロとして活動を開始する。
21歳、アルバム「DAY BY DAY」でレコードデビュー。
27歳、自身のリーダーアルバム「MY ROMANCE」「MISTY2」を発表。
2001年、Fried Prideとしてデビュー。
日本人初の米国コンコード・レーベルからアルバム「Fried Pride」をリリースし、Swing Journal誌ゴールドディスク賞を受賞する。以来、11枚のアルバムをリリース。 これまでに米国ニューヨーク・ブルーノートをはじめ、国内外で数多くのライブ活動を行う。
2012年、53歳、脳梗塞を患う。一時は両手足、言葉が不自由になるも、懸命のリハビリとギターへの情熱で見事に復活し、以前にも増して音楽性と超絶技巧に磨きがかかる。
2016年、Fried Prideを解散し、ソロ ギタリストとしてドイツ、フランス、ロサンジェルスにてライブを行う。驚愕の1人ビッグバンドと称される。
2016年10月、ソロアルバム「YOKOTA」「JUMP OUT!」を2枚同時発売。プリモ芸術工房(東京)、今池ガスホール(名古屋)を皮切りに京都、大阪、広島と、ギター1本、たった一人での完全ソロコンサートを開始した。
2017年10月「Love at Christmas」を発売。
ホールでのソロコンサートや、サロン、ライブハウスでのSolo&Duo&Moreシリーズ、オペラ歌手やダンスとのコラボ等、ソロギタリスト横田明紀男として国内外で活躍中。